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チョい優等生 メキシコ

この記事の更新日:2016年07月07日 スタッフブログ一覧へ

前回ご紹介したトルコ同様に、中南米諸国でも20世紀においては激しいインフレーションに襲われた国がいくつかあります。中にはトルコを凌ぐ凄まじさを経験した国もありますが、これらについては、またの機会にご紹介いたします。

今回は凄まじいインフレーションを経験した国に比べると、比較的穏やかであったメキシコに関してのお話です。わかり易いように、20世紀に入ってから現在と同じ国名「Estados Unidos Mexicanos」=「メキシコ合衆国」が刻まれるようになった1 Peso銀貨に含まれる純銀量の変化を見ながらお話を進めます。

1910年に、「カバリトペソ」と呼ばれる、馬上の女神像を描いた1 Peso銀貨(写真1)が発行されました。重量は約27.0g、品位が90%なので、含まれている純銀量は24.4gとなります。

カバリトペソは5年間発行されましたが、数年おいて1918年には、リバティキャップが描かれた新しい銀貨(写真2)が発行されました。重量は約18.13gに減り、品位も80%とダブルで縮小しています。純銀含有量は約14.5gとなりました。約四割の軽減化です。

1920年になると、ほぼ同様のデザインながら重量が約16.66g、品位が72%の銀貨(写真3)が発行されました。純銀含有量は12gとなり2割弱の現象でした。このタイプは断続的に約25年余り発行され続けましたが、1947年になると久しぶりに新規格の銀貨(写真4)が登場しました。メキシコ独立戦争で活躍したモレロスが描かれています。重量は14g、品位は50%tとなり純銀含有量は7gになってしまいました。カバリトペソに含まれている純銀量の3分の1足らずです。

1950年には異なるモレロス像が描かれたさらなる低品位銀貨(写真5)が発行されます。重量が約13.33g、品位は30%にまで落ちてしまいました。純銀含有量は、わずか4gです。

1957年になると究極の銀貨(写真6)が登場します。重量は16gと増加していますが、品位はなんと10%です。銀貨と言うにはかなり厳しいですね。純銀含有量はわずか約1.66gとなってしまいました。半世紀足らずの間に、純銀含有量は約15分の1となったのです。

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(写真1)
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(写真2)
blog-010-BL1607-1C blog-010-BL1607-1Crev
(写真3)
blog-010-BL1607-1D blog-010-BL1607-1Drev
(写真4)
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(写真5)
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(写真6)

1970年になると、1 Peso硬貨はとうとう白銅貨で発行されるようになってしまったので、純銀含有量の変化の観点からのお話も、ここで終わりとしいたます。 ちなみにメキシコのインフレーションは、この後も続いたようです。

(F.R.H.)

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