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Klippe(クリッペ)とクロノグラム

この記事の更新日:2016年04月09日 スタッフブログ一覧へ

前回ご紹介した”やや多角形コイン”の中に四角形コインがありましたが、この様な四角形コインは古くから存在します。

主に16世紀から17世紀にかけてドイツ、神聖ローマ帝国、およびその周辺で発行されていました。これらを「Klippe=クリッペ」と呼んでいます。

さて、ザクセンのTaler貨を見てみると発行された年号が見当たりません。
そして裏面をよーく見るとぐるっと回っている銘文の中に、大小二種類のアルファベットがある事に気がつきます。

当時の銘文はラテン語で書かれていますが、大きなアルファベットだけを抜粋してみると

M V I I L D I L V I となります。

ラテン語による年号表記の場合、
M=1,000 D=500 C=100 L=50 X=10 V=5 I=1 となっています。

これに従って上記の抜粋したアルファベットを合計すると、1614になります。
実際にこのTaler貨が発行された年は1614年なので一致します。
当時はこのような方式を使った年号表記のコインが、ドイツ諸国を中心にしばしば発行されました。
ラテン語を熟知している人が多くいた時代だからこそ可能だったのでしょうね。

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ザルツブルク 2 Taler N.D.
 
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ザクセン Taler 1614

次に人気の高い都市景観を描いたニュルンベルクの6ダカット金貨も、同様に年号を算出してみましょう。
今度は全銘文を書いてみます。

EXOPTATA DIV PAX COE LI EX MVNERE VENIT

大きいアルファベットだけを合計すると発行年号の1698と一致します。
このような年号表記を(「Chronogram=クロノグラム」と言います。

          
blog-006-GKK0256 blog-006-GKK0256rev
ニュルンベルク 6ダカット

最後になりますが筆者自身でクロノグラムを考えてみました。
もちろんラテン語は出来ませんので、英語での挑戦です。そのコインは有名な「雲上の女神」です。
そこでこの金貨に銘文を英語で入れようと次の文言を考えました。

            

LADY IN CLOUD VERY BEAUTIFUL GOLD COIN
( 雲上の女神 とても美しい金貨 )

blog-006-GKK0331 blog-006-GKK0331rev
雲上の女神
        

見事、大文字の合計が発行年号の1908になりました!
いやーっ、どのコインを使ってどの様な文章を書いたら良いか、結構迷いました。
いくつか挑戦して上手くいかなかったのですが、たまたま「雲上の女神」を思いついて文言を考えたら、思ったより早く銘文が完成しました。
完成する数字が1つでも過不足があってはいけないので、なかなか簡単にはいかないものですね。

(F.R.H.)

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